2022.09.18

【IPO関連用語解説】投資ラウンドとは?

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ベンチャー企業の資金調達について調べていると、シリーズAとかBのような表現を見る事があります。
今回はこのシリーズ〇〇、つまりは投資ラウンドについて用語解説していきます。

投資ラウンドとは?


投資ラウンドとは、ベンチャー企業やスタートアップ企業の成長フェーズの事です。
特に、資金調達時や、投資家にとっての目安的に使われるもので、資金調達ラウンド、とも呼ばれます。

区分について明確な定義は無く、大枠としては下記のような区分けが一般的です。

  • シード
  • アーリー
  • シリーズA(エクスパンション)
  • シリーズB(グロース)
  • シリーズC(レイター)


近年のベンチャー企業においては、優先株式による資金調達の事例が増えてきており、その優先株式についているアルファベットに対応させて語る場合もあります(明確に定義が無いからですね)。
下記のようなイメージです(シードステージは自己資金中心、アーリーを飛ばして投資家からの資金調達を受けた段階でA種優先株式を発行しシリーズAと呼称する)。

  • A種優先株式 → シリーズA
  • B種優先株式 → シリーズB
  • C種優先株式 → シリーズC


それぞれの成長ステージイメージ


シード

 

  • 調達額:数百万円
  • PostValuation(ポスト):~1億円


チーム作り、プロダクト作りをこれからはじめようという、まさにシード期のステージです。
そもそも会社自体が設立されていない事も多く、仮説感があるような状態です。
自己資金ではじめる場合が中心ですが、起業実績を積んでいる起業家の場合には人判断でエンジェル投資家や、シードステージに特化したVCがお金をだしてくれることがあります。

アーリー

 

  • 調達額:数百万円~数千万円
  • PostValuation(ポスト):1億円~数億円


初期チームも組成し、プロダクトも(モック等)プロトタイプはあるような状態です。
順調に進行しているならα版やβ版がリリースされており、顧客も少数ながらついている場合もあります。

シリーズA(エクスパンション)


  • 調達額:数千万円~数億円
  • PostValuation(ポスト):数億円~十数億円


正式にプロダクトをリリースし、一定の顧客がついている状態です。
このステージでは、いわゆる「プロダクト・マーケット・フィット」が重要な課題であり障壁です。
ここを乗り越えられると、これまたいわゆる「トラクション」と呼ばれる市場に対する牽引力が高まっていきます。

VCからの投資も受けやすくなるステージとなり、投資家からも期待され始めます。

一方、事業が軌道に乗り切っているステージでも無いため、優秀な人材の確保や各種投資等、資金管理も悩みのタネとあんります。

シリーズB(グロース)

 

  • 調達額:数億円~数十億円
  • PostValuation(ポスト):十数億円~数十億円



プロダクト・マーケット・フィットを乗り越え、トラクションも継続して確保し、企業として明確に成長段階に入った状態です。

経営は軌道に乗り、投資支出をカットすれば黒字も作れるような状況の企業も増えてきます。
資金調達額も多額となり、この辺りからIPOがターゲット・レンジに入ってきます。
監査法人によるショートレビューを受けたり、証券会社選定のためのビューコンもこの辺りの時期に行われます。

シリーズC(レイター)

 
シリーズC以降は会社の状況や事業内容により、調達額もポストも全く異なります。

IPOを明確に意識し、準備が行われている状況です。

事業計画次第では、追加の資金調達を実行する場合もあります。
近年は、無理にIPOせず、事業価値を最大化できるタイミングでIPOをしよう、と言うVCも増えているため、レイターステージに突入したから、近々IPOが行われる、というわけでもありません。

一方、事業が伸び悩み、リビングデッド化の兆しが出るのもこの辺りです。

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本用語解説は、IPO実務上の観点での記載であり、投資観点での記載は行っておりません。
同様に、情報の提供を目的としたものであり、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。

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ライター:ミチビク編集部

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