2022.09.17
【IPO関連用語解説】ショートレビューとは
ここでは、IPO準備事項のファーストステップであるショートレビューについて解説します。
ショートレビューは、IPO進行上、必須のプロセスとなります。
ショートレビューとは
ショートレビューとは、監査法人がIPO準備会社を対象に監査契約の締結前に行う、IPO準備に向けた課題抽出のための調査のことを言います。
短期間で行う実態調査から、ショートレビューと呼ばれます(短期調査、予備調査とも呼ばれます)。
会社としてIPOを行うことを意思決定が行われたとします。
その意思決定がなされたら、IPOを行う目標から概ね3年以上前に、ショートレビューを受ける必要があります。
上場準備のためのファーストステップ、と言えます。
ショートレビューの結果は報告書にまとめられ、大体において並行して選定を進めている引受証券会社との打ち合わせやビューコン資料と併せて、IPOに向けたロードマップを描いていきます。
ショートレビュー報告書は上場準備のための要課題リストとして使われるだけでなく、上場審査の過程で証券取引所や引受証券会社も閲覧する、非常に重要なものとなります。
ベンチャーキャピタルが財務DDの一環で、ショートレビュー報告書を利用する場合もあります。
(証券会社によってはショートレビューを終えていないと、契約をしてくれない場合も珍しく無いので、非常に必須性が高いものです。上場準備の中でも、早々に対応した方が良いものです。)
ショートレビューの項目と流れ
調査項目は会社により様々ですが、以下のような項目が共通して実施されます。
- 企業グループの概況(関係会社の状況等)
- 特別利害関係者等との取引の整理
- コーポレート・ガバナンスの状況(株主、取締役会、監査役会、内部監査の状況等)
- 資本政策立案,実施(エクイティの調達、新株予約権の状況等)
- 業務管理体制(購買、販売、開発等、業務に関連する管理の状況)
- 会計管理体制(中期計画、予実管理体制等)
- 現状の会計処理
- 開示体制
- 内部統制報告制度への対応に向けた課題
- 労務管理体制
- その他
大枠のショートレビューの流れですが、まずは各項目にそって、監査法人から資料の提出依頼が出ますので、依頼事項にそって必要資料を提出します。
その後、Q&A対応やヒアリング対応を経て、監査法人に現状理解をしてもらい、課題の抽出を行ってもらいます。
最終的に報告書としてとりまとめ、提出をいただく流れとなります。
ある程度、会社の体制が整備されている事は当然に望ましいですが、適切にロードマップを制定し、それを確実にクリアしていけば問題は無いので、ショートレビュー前に諸々整備しておかなければならない、というものではありません。
ショートレビューの期間や費用
なお、ショートレビューの期間は数日~2週間程度、必要な費用は会社により様々ですが50万円~200万円位です。
(もっと高額になる場合も当然にあります。)
なお、近年は人手不足の影響もあり、大手監査法人において、そもそも受けてくれない状況が多いです。
そのため準大手監査法人や、これまで名前を見なかったような監査法人が対応する場合が増えています。
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本用語解説は、IPO実務上の観点での記載であり、投資観点での記載は行っておりません。
同様に、情報の提供を目的としたものであり、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。
ライター:ミチビク編集部
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