2022.09.18

【IPO関連用語解説】リビングデッドとは?

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ここではリビングデッドについて用語解説していきます。
経営者は自身の成功を信じて起業をするわけですが、次のステージに進めず倒産や廃業、運よく出資をうけられてもリビングデッドと呼ばれる状態に陥るのが大多数です。

リビングデッドとは


リビングデッドとは、ベンチャーキャピタル(VC)等が投資しているベンチャー企業/スタートアップ企業が、IPOもできず、しかし倒産はしない程度にお金がまわり、ダラダラと存続している状態のことを指します。
ゲームや映画に出てくるゾンビ(生きる屍)のイメージを被せた用語です。

銀行等からの融資(デットでの調達)の場合、期日には返済を行わなければなりませんが、投資家からの出資(エクイティでの調達)の場合、返済期日の類がありません(会社が出資を受ける際に買い戻し条件がなければ)。
また、未公開企業の状態である事や、譲渡制限がついていたりするため、VCにとって、売り捌きたくともできず、株式管理費だけがかかるやっかいな代物になります。

そのため、リビングデッドに陥った企業に対してVCは、どこかに売却するのか、株式を買い取るのか、素直に倒産(マイルドにやっても清算)するのか、決断して具体の行動に移して欲しいと考えます。

なお、明確に統計があるわけではありませんが、一定の資金調達を実行後、3,4年で3割程の企業がリビングデッド化するのが筆者の肌感覚です。

リビングデッドに陥った企業はどうなる?


さて、上述の通り、リビングデッドに陥った企業の取扱いはVCにとって非常に微妙なものになります。

VCファンドにも償還期限というものがあるため、その期限が近付いてきたならば、一定、何かしら判断を行わなければなりません。

企業価値が0に近いなら、紙くず同然の価値で買戻し対応を行います。
これができたならまだ平和な方です。

VCが複数入っている場合(大体、複数から調達している)、償還期限が横並びとは限らないので、VC間での調整が非常に面倒になります。
また、リビングデッドとは言っても、上場できるほどでは無いが倒産はしない程度に経営はまわっている場合もあり、この場合には会社側や経営者が簡単に株を買い戻せるような企業価値で無い事も多いです。
そうなると、どこかに譲渡、という話になるわけですが、リビングデッドの会社の株を買ってくれる所がすんなり出てくるわけでもありません(M&Aでも難易度が高い場合が珍しくない)。

加えて、経営者(創業オーナーの場合が多い)が、リビングデッドとは言え、「社長」の席に固執する光景も決して珍しいものではありません。

色々調整の末、買戻し、どこかに譲渡、M&A、等々着地が見えなくなった場合、いつか来る終わりまでリビングデッドの状態でグダグダと経営が続く形になります。

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本用語解説は、IPO実務上の観点での記載であり、投資観点での記載は行っておりません。
同様に、情報の提供を目的としたものであり、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。

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ライター:ミチビク編集部

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