2022.11.27

【株主総会議事録の書き方】監査報告を求めた場合の書き方パターン

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ここでは株主総会の報告事項前に、(監査役会を含む)監査役による監査報告を求めた場合の、株主総会議事録の書き方パターンについて例示します。
機関設計によっては株主総会における監査報告は必須ではありませんが、一般的には任意で報告を行っていると言えます。

監査報告を求めた場合の書き方パターン


監査報告書の記載事項について述べると共に総会提出議案等の適法性にも触れているパターン

 
議長は、監査役会の監査報告を求めた。
常勤監査役〇〇〇〇は、監査役会全員の意見が一致しているので、その一致した意見を報告する旨説明し、別添の「第〇〇期定時株主総会招集ご通知」〇〇頁記載の監査報告書謄本のとおり、第〇〇期における取締役の職務の全般について、適宜の方法により監査を行った結果、会計に関する事項については有限責任監査法人〇〇〇〇の監査方法及び結果は相当であると認め、また、会計以外に関する事項についても、不正の行為又は法令もしくは定款に違反する重大な事実は認められず、併せて、連結計算書類ならびに本総会に提出される全ての議案及び書類に関しても、法令もしくは定款に違反し、又は著しく不当な事項は認められない旨報告した。

内部統制システム等についても触れたパターン

 
議長は、監査役会の監査報告を求めた。
常勤監査役〇〇〇〇は、監査役会全員の意見が一致しているので、その一致した意見を報告する旨説明し、別添の「第〇〇期定時株主総会招集ご通知」〇〇頁記載の監査報告書謄本のとおり、当事業年度の事業報告およびその附属明細書は法令および定款に従い、会社の状況を正しく示しているものと認めること、取締役の職務の執行に関する不正の行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実は認められないこと、内部統制システムに関する取締役会決議の内容は相当であり、当該内部統制システムに関する事業報告の記載内容および取締役の職務執行についても、指摘すべき事項は認められないこと、計算書類およびその附属明細書の監査結果について、会計監査人の監査の方法および結果は相当であると認められることを報告するとともに、連結計算書類の監査結果についても、会計監査人の監査報告書謄本に記載のとおり、会計監査人からは、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、会計および連結子会社からなる企業集団の財産および損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認められるとの報告を受けており、会計監査人の監査の方法および結果は相当であると認められることを報告した。

招集通知を引用して簡略化したパターン(監査法人による監査報告書無し)

 
議長は、監査役会の監査報告を求めた。
監査役〇〇〇〇は、第〇〇期事業年度の監査の方法及び結果は別添の「第〇〇期定時株主総会招集ご通知」に記載の通りであり、また、本総会に提出される議案及び書類はいずれも法令及び定款に適合し、不当な事項は認められない旨報告した。

招集通知を省略した場合において簡略化したパターン(監査役会非設置)

 
議長は、監査役会の監査報告を求めた。
監査役〇〇〇〇は、添付書類について調査したところ、いずれも正確かつ適当であると認めた旨を報告した。

関連法令


会社法
(監査役の権限)
第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。

(株主総会に対する報告義務)
第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。

(計算書類等の監査等)
第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。
(以下略)

会社法施行規則
(監査報告の作成)
第百五条 法第三百八十一条第一項の規定により法務省令で定める事項については、この条の定めるところによる。
2 監査役は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならない。この場合において、取締役又は取締役会は、監査役の職務の執行のための必要な体制の整備に留意しなければならない。
一 当該株式会社の取締役、会計参与及び使用人
二 当該株式会社の子会社の取締役、会計参与、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人
三 その他監査役が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者
3 前項の規定は、監査役が公正不偏の態度及び独立の立場を保持することができなくなるおそれのある関係の創設及び維持を認めるものと解してはならない。
4 監査役は、その職務の遂行に当たり、必要に応じ、当該株式会社の他の監査役、当該株式会社の親会社及び子会社の監査役その他これらに相当する者との意思疎通及び情報の交換を図るよう努めなければならない。

(監査役の監査報告の内容)
第百二十九条 監査役は、事業報告及びその附属明細書を受領したときは、次に掲げる事項(監査役会設置会社の監査役の監査報告にあっては、第一号から第六号までに掲げる事項)を内容とする監査報告を作成しなければならない。
一 監査役の監査(計算関係書類に係るものを除く。以下この款において同じ。)の方法及びその内容
二 事業報告及びその附属明細書が法令又は定款に従い当該株式会社の状況を正しく示しているかどうかについての意見
三 当該株式会社の取締役(当該事業年度中に当該株式会社が指名委員会等設置会社であった場合にあっては、執行役を含む。)の職務の遂行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったときは、その事実
四 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由
五 第百十八条第二号に掲げる事項(監査の範囲に属さないものを除く。)がある場合において、当該事項の内容が相当でないと認めるときは、その旨及びその理由
六 第百十八条第三号若しくは第五号に規定する事項が事業報告の内容となっているとき又は前条第三項に規定する事項が事業報告の附属明細書の内容となっているときは、当該事項についての意見
七 監査報告を作成した日
2 前項の規定にかかわらず、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社の監査役は、同項各号に掲げる事項に代えて、事業報告を監査する権限がないことを明らかにした監査報告を作成しなければならない。

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ライター:ミチビク編集部

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