2022.07.22

【取締役会議事録の書き方】子会社を吸収合併する場合

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ここでは取締役会議事録の「子会社を吸収合併する場合」の書き方例について解説します。

子会社を吸収合併する場合の記載例


第〇号議案 当社子会社である株式会社○○○○との吸収合併の件

議長より、経営の合理化を図るため、当社子会社である株式会社○○○○を次の通り吸収合併したい旨の説明があった。
併せて、関連する契約の締結を行うこと、抱き合わせ株式消滅差益を計上するが今期の業績には大きな影響を与えないことの説明もなされた。
議長がその賛否を議場に諮ったところ、本議案は満場一致をもって原案どおり承認可決された。

  1. 契約締結日 YYYY年MM月DD日
  2. 公告掲載日 YYYY年MM月DD日
  3. 効力発生日(合併期日) YYYY年MM月DD日
  4. 交付する株式 当社完全子会社のため、合併に伴う新株の割当ては行われない
  5. 資本金等に関する事項 増加する資本金等は無い
  6. 業績への影響 抱き合わせ株式消滅差益(特別利益)○百万円
  7. その他 本手続きは会社法第796条第2項に定めのある簡易合併であり、一定の反対通知が無い限り株主総会での承認を要しない
  8. 添付資料「合併契約書」「業績への影響詳細」


(意見、質疑応答の要旨)

(省略)

子会社を吸収合併する場合の記載のポイント


吸収合併は株主総会決議事項(特別決議)ですが、完全子会社の場合等では簡易合併として取締役会決議で進めることが可能です。

なお、公告の結果として株主からの反対の通知がある場合には、株主総会を開催する必要性がはっします。

ただし、簡易合併を行うような場合には、通常は発生し得ない事象と言えるでしょう。

加えて、合併差損が生じる場合には、会社の財政状態が悪化するため株主総会の決議が必要となりますので、いずれにせよ、このようなセンシティブなコーポレート・アクションを取る場合には弁護士等の専門家の照会を得るのが必須でしょう。

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子会社を吸収合併する場合の記載の関連法令等


会社法
(合併契約の締結)
第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。
(吸収合併契約等の承認を要しない場合)
第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。
2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。

(吸収合併契約等の承認を要しない場合等)
第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。
2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
一 次に掲げる額の合計額
イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額
ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額
ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額
二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額
3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。


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ライター:ミチビク編集部

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