2026.10.19
取締役会議事録のひな形がない方へ|Word雛形と記載例・書面決議の書き方
急に取締役会の事務局を任され、手元に議事録のひな形がない。書き方もルールもわからないと焦っていませんか?他の業務と兼任していると、議事録の作成だけに多くの時間を割くのは難しいものです。
本記事では、初めての方でも今すぐ実務に使えるWord形式のテンプレートをご用意しました。会社法に則った基本ルールやケース別の具体的な書き方、法務局へ提出する際の注意点までわかりやすく解説します。
【Word形式】そのまま使える取締役会議事録の無料テンプレート
兼任事務局として急に議事録作成を任されると、何から手をつければ良いか迷うものです。まずは、どんな会社でも汎用的に使える標準的なひな形を押さえることが重要です。
この章では、実務で最も扱いやすいWord形式の構成案を紹介します。これをベースに、自社の状況に合わせてカスタマイズしていきましょう。
汎用性が高い標準的なWordひな形
一般的な取締役会の議事録は、以下のような構成で作成します。
【取締役会議事録Wordテンプレート(イメージ)】
第〇回 取締役会議事録
- 日時:令和○年○月○日(○曜日)○時○分〜○時○分
- 場所:当社会議室(またはWeb会議システム)
- 出席者:出席取締役:○○○○(議長)、○○○○、○○○○出席監査役:○○○○
- 議事の経過の要領及びその結果:(※ここに決議事項や報告事項の内容を記載します)
以上を明確にするため本議事録を作成し、出席した取締役及び監査役が以下に署名または記名押印する。
令和○年○月○日 取締役(議長)[氏名](印)取締役[氏名](印)監査役[氏名](印)
ExcelではなくWordで作るべき2つの理由
議事録の作成にはExcelではなく、Wordを使うのがビジネスの標準です。
まず1つ目の理由は、議事録が「文章」を主体とする公的な書類だからです。Excelは数値の計算には向いていますが、長文のレイアウトを綺麗に固定するのには適していません。Wordであれば、誰が印刷してもズレのない美しい法的文書が作成できます。
2つ目の理由は、他部署との共有や過去のデータとの比較がしやすい点です。多くの企業がWordを標準ツールとして使っているため修正の履歴を残しやすく、のちに解説する電子署名などの外部システムへ読み込ませる際にもトラブルが最も少なくなります。
議事録の基本ルールと必須項目|絶対に外せない
取締役会議事録は単なる社内記録ではなく、会社法によって作成と保存が義務付けられている大切な法的文書です。もし内容に不備があると、法務局での手続きが通らなかったり、会社にペナルティが科されたりするリスクもあります。
この章では法律で定められた必須項目や、ハンコのルールを初心者向けに解説します。
会社法に基づく基本項目と場合に応じて必要な記載事項
下記は、通常開催する取締役会の議事録で確認する基本項目です。このほか、会社法施行規則第101条第3項に定める意見・発言の概要、出席した執行役・会計参与・会計監査人・株主の氏名または名称、特別取締役による開催や同項所定の招集経緯なども、該当する場合には記載が必要です。
- 開催された日時と場所(開始から終了までの時間も正確に記載します)
- 話し合いの流れとその結果(どのような意見が出て、賛成多数で決まったかなど)
- 特別な利害関係を持つ取締役の氏名(その決議によって個人的に得をしたり損をしたりするため、話し合いに参加できなかった役員の名前です)
- 出席した取締役と監査役の氏名(欠席した役員がいる場合は、その旨も書き添えます)
- 議長を務めた取締役の氏名(会議の進行役のことです)
迷いがちなWeb会議の場合の書き方|Zoomなど
最近増えている、ZoomやTeamsを利用したオンライン取締役会の場合、開催場所の書き方にコツが必要です。
基本的には、議長などが出席している物理的な場所(本社会議室など)を拠点として記載します。その上で、その他の取締役は各自のパソコンからビデオ会議システムにより出席し、お互いの音声と映像をリアルタイムで確認できる状態で話し合いを行ったという旨をハッキリと書き添えるのが正しいルールです。
ハンコ(署名・押印)は誰が必要?割印のルールも解説
議事録が完成したら、その会議に出席したすべての取締役と監査役のハンコ(または直筆のサイン)を貰う必要があります。会議を欠席した役員のハンコは必要ありません。
また、議事録が2ページ以上にわたる場合は、ページの継ぎ目にハンコを捺す割印(契印)を忘れずに行ってください。これは、後からこっそりページを差し替えられていないことを証明するための、実務上とても重要な改ざん防止ルールです。
取締役会議事録の書き方と具体的な例文|3つのケース別
会議の内容によって、議事録に書くべき文章は大きく変わります。特に初めて担当する方が悩みやすい、役員の給料を決める時、報告を聴くだけの時、集まらずに書類だけで済ませる時の3つのパターンについて、具体的な記載例を用意しました。文言をそのまま調整して使えるため、初めてでもスムーズに作れます。
ケース1:役員報酬などを決める通常決議があるとき
下記は、株主総会で承認された報酬限度額と委任の範囲内で、取締役会が報酬額を改定する例です。賛否と決議結果は、実際の審議結果に従って記載します。
【記載例】第1号議案:取締役報酬額改定の件
議長より、令和○年○月○日の株主総会で承認された報酬限度額および委任の範囲内で、当期の取締役報酬総額を月額○○万円に改定したい旨の提案があった。審議の結果、出席取締役全員の賛成により、原案どおり承認可決された。
ケース2:決めることがない報告事項のみのとき
今月の売上状況の共有など、決議(多数決)がなく役員への活動報告だけで終わった場合の書き方です。決めることがない日でも、以下のようにシンプルに要点をまとめます。
【記載例】報告事項:業務執行状況報告の件
議長より、当月中における当社の営業実績および財務状況について、配布された営業報告資料に基づき詳細な報告が行われた。各取締役および監査役はこれを確認し、特に質疑応答はなく報告は終了した。
ケース3:集まらずに書類で済ませる書面決議(みなし決議)のとき
役員が各地にいて会議を開けない場合などには、定款の定めに基づき、会議を開かずに取締役会の決議があったものとみなす仕組みを利用できます。その議案について議決に加わることができる取締役全員が書面または電磁的記録で同意し、監査役設置会社では監査役が異議を述べていないことが必要です。この場合は、通常の会議とは異なる形式で議事録を作成します。
【記載例】取締役会の決議があったものとみなされた事項の件
取締役○○より提案のあった下記議案につき、当社の取締役全員から書面による同意の意思表示があり、また監査役からも異議が出されなかったため、会社法第370条の規定に基づき、本提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなされた。
- 提案のあった事項:○○○○の件
- 決議があったものとみなされた日:令和○年○月○日
- 議事録の作成に係る職務を行った取締役:○○○○
なお「michibiku(ミチビク)」などの専用システムを利用すると、この書面決議のやり取りをオンライン上で迅速かつ簡単に行うことができるようになります。
法務局で却下されないために|登記申請で見られる注意点
社長の変更やオフィスの移転などを決めた場合、議事録を法務局へ提出して、会社の公式情報(登記)を書き換える必要があります。法務局のチェックは書類の不備に対して非常に厳しいため、再提出になって二度手間にならないように、原本の扱い方や最新のオンライン申請のルールを確認しておきましょう。
提出時に必要な原本証明と押印の間違いやすいポイント
法務局には、出席者のハンコが捺してある議事録の原本を提出するのが原則です。
原本を会社で保管したい場合は、原本還付の手続きを利用します。「原本と相違ない」旨と、申請人または代理人の資格・氏名等を記載したコピーを原本とともに提出し、原本の返還を請求します。原本を提出せず、証明を付したコピーだけで済ませる手続きではありません。
議事録の原本に必要な押印は、登記の内容によって異なります。一方、原本還付を請求するためのコピーへの押印は不要です。原本の署名・押印要件と、原本還付用のコピーの要件を混同しないように注意してください。
電子署名は使える?オンラインでの登記申請ルール
役員がリモートワークばかりで、紙の議事録にハンコを貰いに行くのが大変という場合でも安心してください。現在は法務省が認めた電子署名サービスであれば、紙の議事録と同じようにそのままインターネット上での登記申請(オンライン申請)に利用できます。
わざわざ紙を印刷して製本したり、郵送で役員の自宅へハンコを貰いに回ったりする手間を大幅に削減できるようになっています。
毎回の議事録作成をゼロから手作業でやるのはもう限界?
兼任事務局にとって、取締役会の運営は非常に大きな負担です。資料の収集から会議の録音、Wordへの書き起こし、役員へのハンコもらいなど、やるべき作業が山積みだからです。このようなアナログな手作業は、時間がかかるだけでなく思わぬミスを生む原因にもなります。事務局が直面している課題を見ていきましょう。
其他の仕事と兼任する事務局が陥りがちな3つの非効率
多くの兼任担当者の頭を悩ませているのが、以下の3つの非効率です。
- 使うツールがバラバラで管理が面倒
連絡はメール、資料は社内フォルダ、議事録はWordと情報があちこちに散らばってしまいます。 - 最新のファイルがどれかわからなくなる
何度も修正を繰り返すうちに、どれが最終版の議事録だったかわからなくなり迷子になりがちです。 - ハンコをもらうための物理的な手間
紙に印刷して役員の席まで足を運んだり、郵送の手配をしたりする作業に多くの時間が奪われます。
手作業だから起きる記載漏れ・ハンコもらい忘れのリスク
手作業でバタバタと運営していると、法律で決まっている必須項目の書き漏れや監査役のハンコの貰い忘れといったうっかりミスが起きやすくなります。このような不備は、議事録の修正や登記手続きの遅れ、決議内容の立証が難しくなる原因になります。
ただし、議事録の記載漏れや押印漏れだけで、適法に成立した取締役会の決議が無効になるわけではありません。
面倒な議事録作成を自動化する「michibiku(ミチビク)」とは?
議事録作成の負担を根本から解消したいなら、取締役会DXプラットフォーム「michibiku(ミチビク)」の導入が近道です。上場企業も採用するこのツールを使えば、会議の案内から議事録の作成、電子署名までを一つのシステムで完結できます。手作業にかかっていた時間を大幅に短縮し、本来の重要な業務に集中しましょう。
ボタンひとつで日時や参加者を自動入力
michibikuの書類作成サポート機能を使えば、事前に作成した会議の案内データ(日時、参加者、予定している議題など)を、ボタンひとつで議事録の枠組みへ自動的にコピーできます。毎回Wordをいちから開いて、日付や役員の名前を手動で打ち込む手間が完全にゼロになります。
AIの自動文字起こし・要約で作成時間を大幅カット
会議中の音声をAIがリアルタイムで認識し、自動でテキスト化してくれます。さらに、議事録にふさわしい簡潔なビジネス文章へとキュッと要約してくれる機能も備わっています。誰が何を言ったかを必死にメモしたり、録音を何度も聞き直してWordに書き起こしたりする苦労から解放されます。
電子署名で役員のハンコ待ちをゼロに
法務省が認可した電子署名機能がついているため、役員はどこにいてもスマホやパソコンからオンライン上で署名を完了できます。役員が出社してくるのを何日も待つ必要がなくなり、完成したデータはそのまま法務局への登記申請にも使えるため、手続きが驚くほどスピーディになります。
まとめ:正しいひな形で確実かつ効率的な議事録作成を
取締役会議事録の作成は正しいひな形を使い、法律で決まっている必須項目をしっかり網羅することから始まります。しかし他の業務と兼任している担当者様が、毎回の書類作成やハンコ集めの作業だけで手一杯になってしまうのは、会社にとっても大きな損失です。
取締役会DXツールの「michibiku」を活用すれば、事務局の作業時間を最大で3分の1までギュッと圧縮できるというデータもあります。
まずは正しいひな形で実務の基本を押さえつつ、デジタルツールの力も借りながら、ミスなく効率的に業務を進められる環境を整えてみてはいかがでしょうか。議事録作成の手間を大幅に減らし、ガバナンス体制を強化したいとお考えの担当者様は、まずはお気軽にお問い合わせください。





