2026.04.06
業務効率化の先にある「理事会の更なる実質化」を目指して。法政大学が取り組む重要会議DXと実効性向上への挑戦
学校法人法政大学 総務部総務課 半田様、寺田様

学校法人法政大学は、15学部・大学院17研究科からなる総合大学です。1880年の建学以来、「自由と進歩」の精神に基づき、主体的、自立的かつ創造的に、新しい時代を構築する人材を輩出しています。 2025年4月に施行された私立学校法改正により、学校法人における理事会の「実質化」が一層求められるようになりました。 法政大学ではmichibikuを導入し、重要会議のDXや実効性向上に取り組んでいます。今回は総務部総務課の半田様、寺田様にmichibikuの導入のきっかけや活用状況について詳しくお伺いしました。
INDEX
アナログな資料送付と分断されたシステム。役員自身が過去の経緯を確認できないもどかしさ
1.担当の業務と導入前の状況
現在ご所属の部署・役割についてお聞かせください。
半田様
寺田と共に総務部総務課という部署におり、メインの担当領域は役員会の運営業務になります。業務執行理事会、理事会、そして評議員会の運営業務を担っています。会議の準備から結果の確認、議事録の署名など、会議の一連のところを担当している形です。
また、部局からの決裁の相談を受けたり、4年に1回ある総長や理事を決める選挙・選考委員会の事務局を担ったりしています。
michibiku導入前の理事会や評議員会、業務執行理事会の準備・運営はどのようにされていましたか?
半田様
学内役員だけの会議体(業務執行理事会)と、学外の役員もいる会議体(理事会・評議員会)で運営が異なっており、特に学外役員の関わる会議体では運用に苦労をしておりました。
学外の方が関わる会議では、規定上、開催通知を必ずいつまでに送らなければいけない、というルールがあり、期日に合わせて紙で郵送していました。
会議資料は、毎月開催される理事会は資料共有アプリを使って見ていただいていましたが、年4回開催する評議員会は年配の方も多いことから資料を紙で郵送していました。
会議の当日は基本的には対面実施を原則としつつ、コロナ禍でオンラインツールの導入も進んだのでハイブリッドでも運営していました。議事録の署名は、私学法改正前は手書きで署名をいただく形でしたので、本学に来ていただく折に署名をお願いしておりました。地方の評議員の方に署名いただく際には郵送し署名をいただいていました。
当時の運営において、特に「課題」「しんどかったこと」は何でしたか?
半田様
特に大変だったのは評議員会ですね。私学法改正前は評議員は80名でしたが年4回、開催通知に合わせてたくさんの会議資料を印刷し、郵送するのはなかなか骨の折れる作業でした。特に評議員は、地方に在住の方もいらっしゃるため、郵送の時間や費用も要していました。また、資料追加や修正があった場合は、再度評議員80人に郵送する必要があるため、とても大変な作業でした。
もう一つ、内容面で大きな課題だったのが、資料共有アプリを通じて過去の資料は見られても、過去の議題がどうなったかという「議論の経緯」や「審議結果」が役員から見られないことでした。当時の総務課長が頭の中で把握していたり、事務局で別の議題管理システムを見て共有する形になっており、役員自身ですぐ見られない状況となってしまっていたので、何とかしたいと感じておりました。
私立学校法改正を契機とした「理事会の実質化」。実効性評価と過去の議論の可視化が導入の決め手に
2.導入までの経緯
貴学にて理事会や評議員会をDXしようという機運は、何がきっかけで高まったのでしょうか?
半田様
2025年に施行される私立学校法の大改正が契機になりました。中でも「理事会をより実質化しなければいけない」という項目があったので、それがきっかけで導入を検討しました。
michibikuを知ったきっかけや、初期の印象はいかがでしたか?
半田様
理事会の実質化を図る中で、「理事会の実効性を上げる」ためのシステムを、と思い探し始めました。当時インターネットで「理事会の実効性を評価する仕組み」といったキーワードで調べていった中で、michibikuを知ったのがきっかけですね。
そこからシステムの概要をお伺いし、初期の印象としては「会議運営面で、非常に楽になりそうだ」と思いました。当時、資料共有はアプリ、議題管理は本学に適した別のシステムを使っていたこともあり、michibikuだと、同じシステムで一連の業務ができるようになるので楽になりそうなイメージでしたね。
導入にあたって、学内ではどのようなハードルがありましたか?
半田様
新たなシステムを導入するときは、反発されることも多いですが、「この仕組みなら必ず説得できる」と感じていたので、大きなハードルは実を言うと感じていなかったです。強いて言うなら、新たな予算として申請し、効果も含めて説明し、学内で合意を取る必要があったことでしょうか。資料共有だけのツールと比べると金額は違いますが、プラスでできるようになることも多いですので、その点も含めて説明をし、合意を得ました。
他社システムと比較された中で、最終的に導入が決まった「決め手」は何でしたか?
半田様
私立学校法改正で理事会の実質化を高めなければいけない中で、実効性評価のアンケートができることや、過去の議論の経緯・申し送りが見られることでより実質的な議論ができることですね。
あとは録音データをもとに会議分析ができ、実際の会議運営をPDCAサイクルに乗せて改善していけることが決め手です。他社と比較した際も、実効性評価ができる仕組みと、実際の事務局作業の運用面、この両面で一番使い勝手が良さそうなのがmichibikuだと感じました。
準備にかかる時間とコストを大幅削減。直感的な操作性でITに不慣れな役員からも好評
3.導入後の効果と反応
導入後、業務面で実感された変化についてお聞かせください。
半田様
一番は会議運営がmichibiku上で一連すべてできるようになったことです。特に郵送の手間とお金(印刷代・郵送費)が削減されたことは大きいです。特に評議員会です。1回あたり議題や報告が平均10〜15件で、80名分に事務局や予備を含めて約100部用意するので、1回で約10万枚にもなります。それを10部ずつにして取り忘れや重複がないか確認しながら封入し、理事会で修正が入れば差し替えるという作業を、大体3〜4日かけてトータル最大12時間ほど費やして行うのが導入前の状況でしたので、導入後、劇的に変わったなと実感しています。
今回は法改正に合わせて4ヶ月連続で評議員会を開催し、役員の入れ替えで現評議員と新評議員を立て続けにやるタイミングもあったのですが、michibiku導入後でしたので、開催通知や資料確認、議事録の確認までシステムで一貫して対応ができたことで、時間もお金も削減しつつ円滑に進行できたと感じます。
実際にシステムを利用される理事・監事・評議員の方々の反応はいかがでしたか?
半田様
最初はインターフェースに慣れていないことによる不安の声もありましたが、割と早い段階で定着しました。普段あまりITに馴染みのない方からも「使いやすいね」と言ってもらえました。
年配の方も多い評議員会についても、当初はどう進めようか、ペーパレス運用で上手く行くだろうか、と正直悩み・不安もありましたが、実際にやってみると、皆さん協力的で、多くの参加者が自身のデバイスを持参しmichibikuを使って内容を確認してくれておりました。
寺田が役員用・評議員用のマニュアルをアレンジして視覚的にわかりやすく作ってくれたのがかなり大きかったですね。
寺田様
4月の評議員会ではデバイス持参の周知を徹底したところ、多くの方がPCやタブレットを持参してくださって問題なく終えられました。念のために初回は予備の紙資料も20部ほど用意して臨んだのですが、終わってみれば2,3部しか使いませんでした。
新しい試みなので心配もありましたが、ミチビクさんのサポートの方々に、準備や運用相談に親身に対応していただけて大変助かりました。
付議事項の蓄積と実効性評価アンケートの本格運用へ。「理事会の役割」を再定義し、さらなる議論の活性化を
4.今後について
今後の重要会議の運営やガバナンス強化について、michibikuを使ってやってみたい事はおありですか?
半田様
大きく4つあります。1つ目は、理事会の付議事項一覧の閲覧を利用していくこと。2つ目は、録音したデータを用いて会議分析をしていくこと。3つ目は、一番重要な実効性評価のアンケートを使ってPDCAを回し、次年度の改善に繋げること。4つ目は、議決権行使(意思表示)の機能を使っていくことです。
徐々に会議内容の付議事項一覧への蓄積も進んできたかと思います。改めて眺めてみて、いかがですか?
半田様
運用開始から1年弱、michibikuで署名まで完了した会議も増え、付議事項一覧への蓄積がされてまいりました。改めて、会議・議案名・議事内容・関連資料が一目で見て分かるようになるのはとても便利ですね。導入前の課題であった「過去の議題を振り返りにくい」状態が改善され、今後どの人もいつ・どんな議題をどんな資料で話したかを探しやすい状態になっていきそうです。
また、実効性評価は、企業では浸透しつつありますが、学校法人では先進的な取り組みと感じます。どのように進めていらっしゃるか、お伺いできますでしょうか?
半田様
実効性評価アンケートは「理事会の実質化・実効性向上」を目指すうえでも有効な仕組みになると考え、現在企画を進めています。本学でも初の取り組みですので、まず、改めて「本学における理事会の役割とは何か?」を定義・言語化する事からスタート致しました。
そして、役割を果たすうえで必要な取り組み・要件を考え、michibiku実効性評価の学校法人用設問プリセットと突合しながら、必要な設問を検討しています。検討の中では、ミチビクさんにも企業における実効性評価の実施例やユースケースをお伺いしたり、設問ピックアップの壁打ちもして頂きました。
実効性評価アンケートへの取り組みに関して、理事・監事の皆様からのご反応はいかがですか?
半田様
実際にアンケートを実施するのはこれからとなりますが、前向きな反応を頂いております。
先日、ガバナンス委員会にてこの企画をお話した際も、学外理事や監事、外部有識者の委員の方々からも、「事務局からそういった提案が出てくることが素晴らしい、ぜひ取り組んでほしい」とポジティブな声も頂戴し、励みとなりました。
また、理事の皆様から「理事会に出ていないメンバーにもアンケートを取り、360度評価のようにしてみてはどうか」といった意見も頂戴し、合わせて実施をしたいと考えています。実効性向上に資する良い取り組みになるよう、一歩ずつ着実に進めていければと思います。.png)
今まさにシステムの導入を検討している学校法人に向けて、メッセージをお願いします。
半田様
作業面だけだと「事務局が楽をしたいだけ」と言われるかもしれませんが、私たちが導入した一番の目的は、私立学校法改正を契機とした「理事会の実効性を高めること」です。
役員である以上、理事会の実効性を高めるという問題意識は誰もが持っているはずです。導入検討の上では、業務効率化や手間の削減はあくまでスタート地点であり、その先にある、「本質的な議論やガバナンス強化という実効性向上に繋がる取り組みを進めるのだ」というお話を含めてされるのが良いのではと感じます。
寺田様
michibikuは直感的に使えるシステムなので、使い方をしっかりとお伝えしたり、導入の意義を説明すれば、年齢層が高い方が多い理事会・評議会でも全く問題なく導入できると思います。
導入前は私たち事務局も「皆様に使って頂けるだろうか?」と心配もありましたが、いざ実施するとなると前向きに取り組んでいただけたので、デジタルに苦手意識のある方がいても、心配には及びません。


